WHAT

[8/20(木)]
クロストーク「貧しい建築のつづき」

塚本由晴×湯浅良介×井上岳×砂山 太一

2026年8月20日 2026年8月20日
  • Offfice Yuasa「闇、遅れた微光」 Photo by Keizo KIOKU

  • GROUP「都市と眠り」 映像:稲田禎洋 Photo by Keizo KIOKU

  • Offfice Yuasa「闇、遅れた微光」 Photo by Keizo KIOKU

  • GROUP「都市と眠り」 映像:稲田禎洋 Photo by Keizo KIOKU

「波板と珊瑚礁 ー 建築を遠くに投げる八の実践」の関連イベントとして、建築家・塚本由晴氏、出展建築家の湯浅良介氏、井上岳氏、そして本展企画協力者の砂山太一氏によるクロストークを開催します。


【日時】
8月20日(木)18:00~19:30
※18:00までに、展覧会と建築倉庫のご鑑賞をお願いします。イベント終了後はご鑑賞いただくことができません。また、ミュージアムショップのご利用も18:00までとなりますのでご注意ください。

【定員】
50名 ※事前申込制(要イベントチケット)

【料金】
一般 1,800円/大学生・専門学生 1,100円/中学生・高校生 500円/小学生以下無料
※チケット料金には[展覧会+建築倉庫]の鑑賞が含まれます。

【会場】
WHAT MUSEUM 建築倉庫

【参加方法】
※近日中にチケットの販売を開始いたします。
当日は11:00の開館以降、お好きな時間にお越しいただけます。
WHAT MUSEUM受付にて、購入時のQRコードをご提示ください。

※展覧会と建築倉庫のご鑑賞およびミュージアムショップのご利用は18:00までとなります。トーク終了後はご覧いただくことができませんのでご注意ください。
※展覧会と建築倉庫の鑑賞目安は約90分となります。お時間に余裕をもってお越しください。

 


「貧しい建築のつづき」
 
「貧しい建築のつづき」というタイトルは、建築家リナ・ボ・バルディが、自らの建築思想を表すために用いた「貧しい建築(Arquitetura Povera)」という言葉に由来します。その背景には、1960年。代のブラジルで培われた民衆文化へのまなざしがあります。彼女がいう「貧しい」とは、経済的な貧困やローコストではなく、装飾や権威を削ぎ落とし、人々の営みや公共性と直接結びつく建築を意味していました。

1960年代には、このような「貧しさ」を創造の契機とする思想が建築以外の分野にも広がります。グロトフスキの「貧しい演劇」は俳優と観客の関係へ、アルテ・ポーヴェラは身近な素材へ、グラウベル・ローシャの「飢餓の美学」は欠乏そのものへと表現の可能性を見いだしました。これらに共通していたのは、高度経済成長と大量生産・大量消費の時代に、「豊かさ」とは何かを問い直そうとしたことでした。
半世紀を経た現在、私たちはモノの豊かさだけでなく、画像や映像、情報が絶え間なく生産される社会に生きています。建築もまた、SNSやメディアを通して瞬時に消費されるイメージとなる一方で、身体を通した経験や場所との関係、時間をかけて育まれる公共性は、むしろ見えにくくなっています。

「貧しい建築のつづき」は、1960年代に「モノの豊かさ」を問い直した思想を、情報やイメージ、可視性や即時性が過剰にあふれる現代へと引き継ぎ、「何を手放すことで、経験や関係の回復は可能となるか」を考える試みです。
展覧会タイトル「波板と珊瑚礁」の波板は都市や地方の風景を形づくってきた身近な工業製品であり、珊瑚礁は無数の小さな生命の営みが長い時間をかけて形成する地形です。そこには、一つの強い建築や完成されたデザインではなく、小さな実践や日常の集積が環境や都市を形づくるという視点が込められています。
本トークでは、「波板と珊瑚礁」に込められた思想を起点に、陳腐さや日常性、都市と地方、身近な素材や風景の価値を読み直し、「貧しい建築」を建築が過剰な表現や情報から距離を取り、人や場所、時間との関係を編み直す思想として捉え直します。

 


【登壇者】


■塚本 由晴
アトリエ・ワン/東京科学大学大学院教授、博士(工学)
1965年神奈川生まれ。貝島桃代と1992年にアトリエ・ワンの活動を始め、建築、美術、教育をまたいで幅広い活動を展開。ふるまい学を提唱して、建築デザインのエコロジカルな転回を推進し、建築を産業の側から人々や地域に引き戻そうとしている。2022年Wolf Award Architecture Laureate. 2026年Daylight Awards Architecture Laureate.2019年から千葉県鴨川市釜沼北集落の里山再生に取り組み、一般社団法人「小さな地球」共同理事を務める。

 


■湯浅 良介
1982年東京都生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。内藤廣建築設計事務所を経て、2019年よりOffice Yuasaを主宰。2024年より多摩美術大学准教授。主な作品に「FLASH」(2021)、「となりはランデヴー」(2022)、「波」(2022)、「LIGHTS」(2024)など。主な著作に『HOUSEPLAYING No.01 VIDEO』(Office Yuasa)、『PATH』(盆地Edition)など。主な個展に「POLE STAR」(un、2022)、「BLINK」(same gallery、2023)、「TEMPO++」(CoAK、2024)など。主な受賞歴にSDレビュー2023槇賞、住宅建築賞2024入賞など。

 


■GROUP(井上 岳)
建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、建築設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。

 


■砂山 太一
SUNAKI Inc.代表、京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科准教授。情報と物質の関係を主題に、建築、美術、デザイン、デジタル技術を横断する企画、批評、制作、空間設計に取り組む。建築コレクティブSUNAKIでは、リサーチ、構想、設計、制作、実装、運用までを手がける。主な活動に、第17回・第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示への参加、「小豆島ハウスプロジェクト」、「かみのいし」(中山英之と協働)など。新建築データのディレクターとして、建築アーカイブとデジタルメディアの開発にも携わる。